「通常業務と変わらない」が多く
母国に子どもがいるケースを巡っては、一部報道で、区役所や市役所などの窓口に外国人が連日訪れ、「子どもがいればお金がもらえると聞いた」などと言って職員を困らせていると混乱ぶりが伝えられた。また、2ちゃんねるでは、母国に戻って、身寄りのない16歳以下の子ども870人と養子縁組した書類を役人に作ってもらった、こうした人がすでに数人いた、といった書き込みもある。
もし、590人や870人といった数になると、子ども手当が年間1億円前後も支給されることになってしまう。こうした極端なケースがあるかは疑問だとしても、母国に子どもがいる外国人から、問い合わせや申請が殺到しているのか。
川崎市高津区役所には、問い合わせがいくつかあるようだが、ほかで聞くと、どこも通常業務とさほど変わらないとの回答だった。
テレビ番組でネパール人男性の申請が報じられた東京・豊島区役所では、中国やネパールの人などから数件問い合わせがあった。しかし、「母国に子どもがいるケースは、児童手当の制度でも当てはまります。それに比べて、特に問い合わせが増えたり外国人が押し寄せたりしていることはありません。うちでは、養子などの問い合わせは、まったくないです」と言う。
一部報道にあった東京・荒川区役所や埼玉県川口市役所でも、問い合わせは数件しかなく、混み合ってもいないという。児童手当の通常業務時と変わらないとしている。荒川区役所では、該当のケースで申請があったのは中国人1人だけだそうだ。
もっとも、申請が始まったばかりで、様子見をしている可能性もある。ブローカーの暗躍といった危険性が指摘されており、不正受給については今後も十分な警戒が必要のようだ。