「龍馬」ブーム異常盛り上がり SB孫社長だけでない「入れ込み」

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   異常なほどの「龍馬ブーム」が巻き起こっている。NHK大河ドラマ「龍馬伝」の視聴率も毎回20%超と好調だ。2009年12月24日にTwitterのアカウント(@masason)を開設し、つぶやきはじめたソフトバンクの孫正義社長も、「龍馬伝」に大興奮のようすを伝えている。さらに、全国各地に関連の「記念館」がお目見えするなど、いま日本中が龍馬にあやかろうと懸命だ。

   孫社長は「日曜日が待ち遠しい」とつぶやき、毎週NHKの「龍馬伝」を楽しみにしている。初回(2010年1月3日)の番組開始10分で「涙が出た」と、激しい入れ込みよう。

「最も尊敬する日本人」と孫社長

   坂本龍馬は、孫社長の「最も尊敬する日本人」(広報室)だ。「お父さん犬」が登場する、人気のソフトバンクモバイルのテレビCMで、高知・桂浜で武田鉄矢さんが扮する龍馬の姿が描かれるあたりにも社長の「龍馬好き」が垣間見られる。

   実際、ソフトバンクの黄色の2本線のシンボルマークは海援隊の旗印をモデルにしているという。09年4月の入社式では龍馬の生き方を「一度しかない人生の中で、人のために何ができるか、を真剣に考え貫いた日本人」と紹介し、「わが社もそうありたい」と訴えた。

   ソフトバンクのCMに登場した武田鉄矢さんも、芸能界では龍馬を敬愛する一人。高校時代に「竜馬がゆく」(司馬遼太郎著)を読んでからの大ファンで、バンド名が「海援隊」なのはあまりに有名だ。

   著書に「龍馬はなぜあんなにモテたのか」(KKベストブック)がある、「歴女」アイドルの美甘子さんが小学生のときにハマッたのも龍馬。NHKが放映していた「お~い!竜馬」がきっかけで、身分が低く、「泣き虫」だった子がやがて大事を成し遂げていく姿にあこがれた。

不況の時代に「龍馬病」患者が増える

   いまや日本中が龍馬にあやかろうと懸命。経済も政治も、神頼みならぬ、龍馬頼みだ。 地元の高知県や龍馬最期の地である京都府はもちろん、亀山社中を置いた長崎県や海援隊の船が沈んだという広島県福山市、龍馬と妻のお龍が日本最初の新婚旅行に出かけた鹿児島県霧島市、幕府軍終焉の地で、龍馬が開拓をめざしたとされる北海道函館市にも「龍馬記念館」がオープンした。

   自らが「坂本龍馬」になりたいと言って自民党を離党した鳩山邦夫衆院議員は、政治スタンスの違う舛添要一・前厚生労働相と与謝野馨・前財務相を「薩長」にたとえ、両者を結びつける接着剤の役割を買って出た。倒幕(民主党を倒す)のため、「薩長」連合成立(新党立ち上げ)に向けて「捨石になる」といい、まるで「平成の龍馬」気取りだ。

   そんな中で、龍馬ブームを冷静にみている人もいる。ペーパーカンパニー&キナックスホールディングスの中村修治社長は、自社のサイトで「(龍馬ブームは)高学歴で、自称『実力を発揮できていない』人たちの良い逃げ道になっている気がする」と記している。「リーダーになれない、リーダーとして望まれない。その裏返しとしての『龍馬病』。だから、不況の時代に(企業の)業績が悪くなるほど、そこそこできる奴たちは『龍馬病』を患う」と指摘する。

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