フリー記者参加ブロックする 記者クラブ幹事社という存在

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   各省庁でフリーライターらへの会見開放度を総務省が発表した。しかし、記者クラブによって対応に違いがあると、開放度の分類に不満が上がっている。クラブの幹事をしているマスコミが、なかなか会見での質問などを了解しないというのだ。

   各省庁の記者会見について、総務省は、フリーライターらへの開放度を調査し、A~Dまでの4段階に分けた。それを、原口一博総務相が2010年3月30日、閣議後会見で発表した。

総務省の開放度分け、実態を反映せず

ライターらの不満をどう解消?
ライターらの不満をどう解消?

   ところが、この段階分けが、ライターらから不評を買っている。4月2日の会見では、ライターの畠山理仁さんが、ライターやネットメディアが参加も質問もできるA段階でも、記者クラブ側の了解を得るのが難しい場合があると訴えたのだ。

   総務省の調査によると、A段階が14府省庁。同省を始め、鳩山由紀夫首相が会見を開放したばかりの内閣官房、亀井静香郵政・金融担当相がフリー向けの別の会見を設定している金融庁などが含まれている。B段階は、ライターらが参加できるが質問できないもので、厚労省など4府省庁ある。さらに、日本新聞協会、日本民間放送連盟に加盟している社は参加も質問もできるのがCで国家公安委員会など3府省庁、記者クラブのみなのがDで宮内庁など3府省庁だ。

   省庁の会見は、記者クラブ主催になっているケースが多く、畠山さんによると、A段階といってもクラブによって様々なケースがある。その中には、参加基準がある程度はっきりした総務省などのほか、基準がはっきりしていない省庁もある。クラブでは、月ごとなどに会見を仕切る幹事社が選ばれており、その場合、幹事社の恣意的な判断による場合が多いというのだ。

ライター「厳密に分けて下さい」

   原口総務相も、記者会見の開放度を4段階にくくったものの、2010年4月2日の会見で、「Aについても、かなり違いがあります」と認めた。そのうえで、フリーライターらの参加や質問を了解したクラブについては、「(行政への)公正なアクセスに協力していただき、御礼申し上げます」と述べた。

   一方で、原口総務相は、3月30日の会見では、畠山理仁さんからの質問に、こう答えている。

「AというからAが一番いいとか、ABCDに価値はないのですよ」 「A級ライセンスと言うと、さもいいみたいですけれど、まだ単にABCDを付けただけです」

調査は、あくまでも客観的に区分けして現状報告しただけで、総務省が独立した他省庁に口出しするようなものではないと言いたいようだ。

   とはいえ、その「客観的な区分け」そのものに、疑問の声が出ているのだ。4月2日の会見に出席したフリーライターの小川裕夫さんは、こう言う。

「幹事社の了解がなかなか得られないというのは、『参加できない』というのと同じではないですか。CやDの段階がそういうくくりなので、『そっちなんじゃないの』ということです。そういう意味で、確かにAが一番いいとかではありませんね。BよりAの方が開放度が高いところもありますが、玉石混淆ということです。大臣には、AからDまで厳密に分けて下さいと言いたいですよ」
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