プラチナ価格急騰 南アW杯開催も背景に

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   プラチナ価格の急上昇が続いている。もともと金よりも値動きが激しいとされるが、最近の1か月だけで12%アップと急騰ぶりが目立っているのだ。この1年で50%超の値上がりというのだから驚く。

   プラチナ価格は、自動車の触媒やジュエリーなどの工業用需要に大きく左右される。最近の上昇は世界経済の回復と、プラチナETF(上場投資信託)人気が背景になっている。

世界的な景気回復も影響

   田中貴金属工業によると、2010年4月1日のプラチナ(現物)の小売価格は、前日比120円高の1グラムあたり5305円。5日連続で伸びた。最近の1か月で最安値をつけた2010年2月26日の4700円と比べると、605円もの急伸だ。

   プラチナ投資が高まっている背景には、世界的な景気回復がある。プラチナが自動車の排気ガス用浄化触媒や燃料電池として利用されていることは知られているが、リーマン・ショック後の金融危機の影響がやわらぎ、加えて新興国経済が活況を呈してきたことで、需要がますます多く見込めるようになった。

   ジュエリー用も中国やインド向け需要が伸びて、2009年は供給量の35%を占めたほど旺盛だった。

   また、供給側にも問題があった。プラチナETFを販売するetfセキュリティーズ・リミテッドは、「南アフリカの精錬所が事故のため1か月操業を停止することの影響が大きい」という。南アは世界の70%のプラチナを供給する。08年にも、洪水が原因で電力不足になり、鉱山の採掘活動がストップ、生産量が大幅に減って、プラチナ価格が急騰した経緯がある。

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