最近は弱点補い合う緩やかな提携が主流
ダイムラーは98年に米クライスラーと一度は合併しながら、失敗して「離婚」するという記憶が生々しいことも、出資比率を数%にとどめる一因といわれる。
自動車業界は90年代に「生き残りの最低ラインは400万台」などといわれて大型合併が相次いだが、最近は互いの弱点を補い合う緩やかな提携が主流。伊フィアットの米クライスラー買収は例外で、スズキと独フォルクスワーゲン(VW)の提携は、VWがスズキ株の20%を保有するにとどまり、トヨタは資本提携なしにハイブリッド(HV)技術をマツダに供与することで合意した。三菱自動車は仏プジョー・シトロエン(PSA)からの出資受け入れを狙ったが、条件が折り合わずに業務提携にとどまった。
日産・ルノーとダイムラーの連合は、世界主要メーカー間の合従連衡の組み合わせの中で、組み合わせが決まっていなかったもの同士がくっつく形で、いわば「残りもの連合」(大手メーカー関係者)。たった数%の持ち合いで長期的に関係を維持できるのかは未知数で、どれだけ早く成果を出せるかが成功のカギを握っている。