長官狙撃「捜査結果」の中身 オウム幹部「疑わしい」行動とは

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   警察庁長官狙撃事件について、警視庁が、「オウムのテロ」と断ずるまでの詳細な捜査経過をサイト上で公開した。しかし、当の元長官ですら違和感を持つ内容で、暴走したともされる公安部のメンツを保つだけの目的ではないか、と疑問が出ている。

   警視庁サイト上で、16ページにもわたってつづられた「警察庁長官狙撃事件の捜査結果概要」。そこには、A~Hまでの匿名で、当時のオウム真理教幹部ら8人の「疑わしい」行動が詳細に記されている。

狙撃事件3日前に「敵の仇は敵にやらせる」

   それによると、事件を明示または黙示したと警視庁が推認した麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚は、総選挙惨敗などの後、1992年ごろから教団の武装化を説くようになった。殺人も容認して、「警察官を全てポアする」と襲撃計画を練り、警察の捜査もかく乱しようと、95年3月20日には、地下鉄サリン事件を起こした。

   そんな中で、松本死刑囚の指示を受け、省庁制を取っていた教団のE大臣が、狙撃事件があった同30日の3日前に、D元幹部に次のようなことを伝えた。

「敵の仇は敵にやらせる」

   つまり、警察官への襲撃は警察官にやらせるということだ。E大臣はサリン事件捜査の妨害を考えていたフシがあり、D元幹部は、在家信者だった当時の警視庁A巡査長に連絡した。A巡査長は、「できること、できないことがある。やりたくありません」と言ってきたが、なだめたというのだ。

   捜査結果概要で、具体的な行動が分かるのはここまで。その後については、A巡査長が狙撃の実行犯であり、残りの7人は指示役・見張り役を務めていたことを示唆しているのみだ。

   A巡査長については、まだ事件が発表されない段階でD元幹部に狙撃発生を報告していたことや、アタッシュケースなどから射撃で飛散した粒子が検出されたことを疑わしい点として挙げた。また、ほかの7人についても、分からないはずの弾丸の種類を示唆する記述が教団ビラにあったり、自らは否認しているE大臣らの関与をうかがわせるD元幹部の供述が得られたりしたという。

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