朝日と読売が「記事交換」 新聞業界で始まったリストラ

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取材体制の見直しに繋がるのは必至

   大手紙同士の記事交換の取り組みも始まる。朝日新聞と読売新聞は4月1日から、鹿児島県内の一部地域で記事交換に乗り出した。両社とも、鹿児島県内には鹿児島総局(読売は「支局」)をはじめ、鹿屋、薩摩川内、指宿、奄美、霧島の5つの支局(読売は「通信部」)の取材拠点があるが、両社の記事によれば、「読売は指宿通信部管内で、朝日は霧島支局管内で取材した自治体の発表や行事、季節の写真ものなどに限定」して記事を交換し、独自取材をさまたげるものではないと説明している。発表では取材拠点のリストラについては触れていないが、記事交換が取材体制の見直しに繋がるのは必至だ。

   だが、このような取材拠点を減らそうという動きに対して、「これはいただけない」と疑問の声を呈するのは、毎日新聞社の常務取締役(営業・総合メディア担当)などを歴任し、「新聞社-破綻したビジネスモデル」(新潮社)などの著書があるジャーナリストの河内孝さんだ。

「新聞社は『共通の記事を使うから大丈夫』と主張するでしょうが、読者から選択肢を奪ってしまうことになりかねません。人材に手を付けるのは『魔の手』。記事の質が落ちて、新聞離れに拍車がかからないかと心配です」

   その上で、河内さんは、「まだ先に手をつけるべきところがある」して、高コストな専売店制度の改革を訴えている。

「次に行うべきは、共同販売です。例えばコンビニに行けば、アサヒビールもキリンビールも、同様に(同じルートで搬送されて)売られています。これが新聞で出来ないはずがありません」
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