GDPを0.1ポイント程度押し上げる
一方、第一生命の上場に伴い、保険契約者には株式か現金が給付されるため、景気浮揚効果への期待も浮上している。株式会社化で、会社の「保有者」が契約者から株主に変わるため、これまでの保険料収入で蓄積してきた利益を、株式か現金の形でいったん契約者に返還するためだ。
利益への「貢献度合い」に応じて契約者ごとに株式の割当数が決まり、1株未満だったり、現金を希望する契約者には現金が給付されたりする。売り出し価格で算出すると1兆4000億円分の現金や株式が、約738万人の契約者に行き渡る計算だ。経済効果は09年の定額給付金(約2兆円)に迫り、エコノミストの多くは、国内総生産(GDP)を0.1ポイント程度押し上げると推計する。
現金の支給がゴールデンウィークと重なるため、より消費浮揚効果が期待できるとの声もある。また、これまで株式を持ってなかった契約者も、第一生命株を保有する新規口座を開設するため、回復基調の株式市場を一段と活性化するとの期待も出ている。