総務省が2010年3月30日に発表した2月の完全失業率(季節調整値)は4.9%で、前月と比べて横ばいだった。また、厚生労働省が同日発表した2月の有効求人倍率(同)は、前月より0.01ポイント高い0.47倍で、2か月連続で改善した。
2月の完全失業者は324万人で、前年同月に比べて25万人増えた。このうち、企業の倒産やリストラなどを理由に失業した人は前年同月比16万人増えて110万人。自己都合は5万人増え、101万人だった。就業者数は6185万人で、80万人減った。
一方、2月は有効求人数が前月に比べて1.5%増えた。産業別では、ゴム製品や電子部品、自動車や電気関連の製造業で改善している。しかし、雇用の先行指標となる新規求人倍率は同0.01ポイント低い0.84倍。6か月ぶりに悪化に転じており、先行きはなお不安だ。
正社員の有効求人倍率は前年同月比0.08ポイント低下の0.29倍だった。雇用情勢は持ち直しつつあるが、改善の足取りは鈍く、安定した仕事が見つかりにくい状況が続いている。