日本マクドナルドは春夏商戦に向けて「日本(ニッポン)の味」をモチーフにした商品を売り出す。「てりたま」や「えびフィレオ」といった日本生まれのメニューを進化させたもので、全国の店舗に期間限定でお目見えする。2010年に入り同社は「テキサスバーガー」「ハワイアンバーガー」など「アメリカ」の地域の特色を活かした「ビッグアメリカ」(Big America)キャンペーン商品で話題を呼んだが、今回は一転「日本でしか売っていないもの」に焦点を当てた。前回キャンペーンではあまりの人気に資材が追いつかず、数量限定発売に急遽切り替えるほどの大ヒットにつながったが、今回はどうなるのか。
今回のキャンペーンで登場するのは、「NEWてりたま モチモチバンズ」「NEWゴマえびフィレオ ごまごまバンズ」「チキンタツタ」の3種で、2010年3月29日、都内のマクドナルド施設で報道陣にお披露目された。
「バンズ」に米粉を配合しモチモチ感
「チキンタツタ」は、09年秋以来の復活で、それ以外の2商品は、毎春期間限定で発売される「てりたま」と人気のレギュラーメニュー「えびフィレオ」をアレンジしたものだ。「てりたま」は、てりやきソースがからまった豚肉のパティに、ぷるぷるのタマゴやレタスが入っているのが特徴で、「えびフィレオ」は、何と言ってもえびのプリプリ感が特徴。蛯原友里さんのCMで「エビ売れ」したことでも有名だ。
両新商品とも、ハンバーガーのパンの部分にあたる「バンズ」に工夫をこらした。具体的には、「NEWてりたま モチモチバンズ」には米粉を配合し(配合割合は非公表)、モチモチ感を出した。またバンズを「焼く」のではなく、「蒸し」ているもの特徴だ。「米粉パン」は小麦粉のパンと比べて膨らみにくいのが課題だとされているが、同社独自の工夫で、この問題を克服したという。一方の「NEWゴマえびフィレオ ごまごまバンズ」には、白ごまと黒ごまのペーストを練り込み、白ごまの甘さと黒ごまの香りそして、ゴマのプチプチとした食感を楽しめるようにした。
前回キャンペーンでは「レア感」が人気に拍車
マクドナルドが前回2010年1月から行ったキャンペーン「ビッグアメリカ」では、「テキサスバーガー」「ニューヨークバーガー」など4種類を、期間限定で次々に発売。「店舗に来れば何か新しいものがある」という期待感を消費者に与えることに成功した。
中でも、キャンペーン第1弾の「テキサスバーガー」では、発売3日後の10年1月17日の全店売上高は28億1180万円で、1971年の日本マクドナルド創業以来の最高記録を打ち立てている。「想定よりも多く売れた」などとして、店舗で販売する数を限定し、「売り切れ続出」となったのは記憶に新しいところで、この背景には、限定販売で生まれる「レア感」が、さらに人気に拍車をかけたとの見方が有力だ。
今回のキャンペーンでも、前回の「次々に新製品が登場し、さらに期待感を高める」という枠組みの「続編」ともいえそうだ。
同社では、前回キャンペーンの販売実績や、新キャンペーンでの販売目標については非公開としているが、
「人気が出ても対応できる程度の十分な具材の用意をしている」
と、現段階では前回のような「売り切れ」が発生する可能性を否定している。
3商品が販売される価格は、それぞれ「NEW てりたま モチモチバンズ」(4月5日~4月下旬)が単品330円~340円、バリューセット640円~660円、「NEWゴマえびフィレオ ごまごまバンズ」(4月下旬~5月下旬)が、単品310円~340円、バリューセット630円~660円、そして「チキンタツタ」(5月下旬~6月下旬)が単品300円~320円、バリューセット610円~640円となる。