WBC世界フライ級王座統一選でチャンピオンだった亀田興毅選手(23)が僅差の判定で敗れた後、父亀田史郎氏(44)が判定に猛抗議、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内事務局長らを控え室に呼び付けて「恫喝騒動」を起こした。セコンドライセンス無期限停止処分を受けている立場であり、今後ボクシング界から「永久追放」処分の可能性も高まってきた。
史郎氏は07年10月に、次男の大毅選手と内藤大助戦で反則騒動を起こしたとして、セコンドライセンスの無期限停止処分を受けた。しかし、その後、大毅選手が世界チャンピオンになり、日本人初の兄弟同時世界チャンピオンを育てた功績を考慮して、東日本ボクシング協会は3月15日、JBCに対し処分解除の要望書を出すことを決定。そんな矢先の出来事だった。JBCは試合後の「恫喝騒動」は確かにあった、とし、「処分は近日中に発表する」と厳しい姿勢を示している。
「近日中に処分を発表できる」とJBC
「オレを怒らしたらどないなるか、覚えとけよ!。おのれのクビ、取ったるど、こら!!」
史郎氏は試合後、JBCの安河内事務局長とガルシア・レフリーを控え室に呼び、こう恫喝したという。ジャッジと採点がおかしすぎるという理由からだ。史郎氏の言い分はこうだ。5回に起きた2回の偶然のバッティング。一度目にレフェリーは、ポンサクレック選手に減点1を科した。二度目のバッティングでもレフリーはポンサクレック選手を1点減点したのだが、二度目の減点を安河内事務局長は認めなかった、というもの。
レフリーは史郎氏に「5回の減点は2点だった」と説明したが、その後の記者会見でJBCは、「減点は1点で正しい」と発表。仮に2点だったとしても採点上、興毅選手が敗れた事は覆らない、と説明した。
今回の恫喝騒動でJBCは史郎氏の処分を検討している。
「処分の内容はまだ決定していないが、近日中に発表できる」
とし、「永久追放」を含めた厳しい処分を考えているようだ。