キャビンアテンダント(CA)をめざす女性に、外国エアラインを志向する傾向が強まっている。「年収1000万円」は大袈裟だが、日本のエアラインに比べると福利厚生面などが手厚いからだ。
なかでも中東やアジア系のエアラインでは、本拠地での生活水準が東京よりも豊かで住みやすいとの評判もあって、人気があるようだ。
エミレーツ航空がCAを大幅増員
世界的な金融危機の影響による業績悪化は航空業界も例外ではなく、日本航空は2010年1月に会社更生法の適用を申請して破たんした。現在、経営再建に取り組んでいる真っ最中で、CAの採用も見合わせている。他社も手控えていた。
「昨年までは採用はほとんどありませんでしたが、今年に入ってからは増えてきました」(エアライン就職予備校のエアリッジ)という。現在、全日空は2011年度採用のエントリーを締め切り、書類選考中。エアージャパンは経験者を募集中だ。
活発なのが外国エアライン。中東のドバイを本拠地とするエミレーツ航空は、路線網の拡大とともに、現在全世界に約1万人いるCAを2012年までに1万3000人強に増員する計画だ。
日本人は約200人が在籍しているが、3月28日からのドバイ‐成田間の直行便就航に伴い、さらに増員する。同社によると、CAには世界で毎月平均1万5000件の応募があり、このうち日本人からの応募は400人を超える。過去2年間では100人超を採用しているという。
CAになりたい人が集まるサイト「教えてCA」を運営するiLUNA(イルナ)の矢作嘉男最高責任者は、「エアラインの採用は経験者の募集でも数十倍はめずらしくありませんし、募集があれば飛びつくような状況で数百倍ということもあります」といい、「狭き門」であることに変わりはない。