トヨタの「参加するモータースポーツ」  若者のクルマ離れ食い止め策

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   トヨタ自動車が「2010年のモータースポーツ活動」を発表し、従来のF1観戦など「見るモータースポーツ」から、ユーザーが自らステアリングを握る「参加するモータースポーツ」を推進していく方針を明らかにした。

   トヨタは2009年を最後にF1から撤退し、10年は国内レース最高峰の「フォーミュラ・ニッポン」などに参戦するが、レース観戦だけでは若者のクルマ離れは食い止められないと判断。静岡県の富士スピードウェイでユーザー向けのドライビングレッスンを開催するなど、「気軽にクルマを楽しめるプログラム」を提供していくという。

若者に手が届く「安価で楽しいクルマ」の投入

   トヨタは毎年、モータースポーツの活動計画をこの時期に発表している。10年は軸足を「観戦」から「参加」に移すことが最大の目玉となった。トヨタはモータースポーツを「クルマの持つ『夢』や『感動』をお客様にもたらす大切なものと位置付け、お客様と多くの『喜び』を分かち合うための重要な活動の一つ」と説明。「本年より、お客様が参加するモータースポーツ活動を強化推進し、より多くの方々が気軽にクルマの楽しさを体感いただけるよう機会の創出を図る」と表明した。

   これは若者のクルマ離れに対するトヨタの危機感の表れに他ならない。トヨタはクルマ好きで自らもレーサーである豊田章男社長の肝いりで、スバルと次世代FR(フロントエンジン・リアドライブ方式)スポーツカーを共同開発するプロジェクトを進めており、若者に手が届く「安価で楽しいクルマ」の投入を目指している。今回の活動計画の表明で、トヨタはハード、ソフト両面で若者のクルマ回帰を狙うことになる。

   奇しくも、ホンダが発売した世界初のハイブリッドスポーツカー「CR-Z」は販売が予想を上回る好調ぶりで、日本にも熱心なスポーツカーファンが存在することが裏付けられた。レクサス以外に国内でスポーツモデルを持たないトヨタにとっては、次世代スポーツの開発と若いファンの獲得は大きな課題と言える。

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