ネットの登場で雑誌の役割なくなる
ジャズ雑誌の多くは、ジャズ喫茶がまだ日本に多くあった70年代に創刊している。『アドリブ』は最盛期に発行部数20万部(公称)を誇った。だが、90年代後半に雑誌全体の売上が減少し始める。CD売上も同時期から減少し続け、レコード会社も雑誌に広告を出す余裕がなくなってしまった。加えて、インターネットの登場だ。加藤さんは、
「雑誌にはストックしてアーカイブ化するという役割がありましたが、ネットを見るといつでも情報を手に入れられるんです。ジェフ・ベックで検索すれば、それこそ60年代のヤードバーズ時代から見ることができます。素人の情報でもプロより詳しく書かれていることもありますし、もう机の上に雑誌をストックする必要はないんです。寂しいですが、今回の休刊も、時代の流れの象徴でしょうね」
と話している。