高橋洋一の民主党ウォッチ
お笑い民主の「天下り根絶」 自公政権より役人やりたい放題

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大学や公益法人研究所への出向 矛盾ないのか

   特に、民間派遣の拡充には、職員の所管に関係する民間への派遣を認めていない人事院規則の緩和が必要だが、そこまでしてやるべきなのか。雇用情勢が依然厳しい中、公務員だけは特別扱いなのか。また、補助金等の何らかの役所からの便宜を受けているところに、現役出向を頼むというのは、天下り根絶と根本的に矛盾するのではないか。民間からみれば、公務員が現役出向でくるのは拒めないだろう。それで、民間雇用を公務員側の都合で奪ってしまったらどうするのか。

   大学や公益法人の研究所への休職出向は、民主党は事業仕分けでさんざんムダといってきたことと矛盾しないのか。もう、霞ヶ関の意向がとおりやすい政策研究大学院大学では、教員数の大幅増の噂も聞こえてきている。

   独立行政法人への役員出向枠にいたっては、もうお笑いの世界である。役員出向なら天下りでないという前提であろうが、これは天下りよりたちが悪い。独立行政法人を人事の一環として霞ヶ関が利用しているし、独立行政法人の事情なんて全く無視で、押しつけである。役員出向か退職した天下りかは、外部の人からはわからず、どっちも天下りと同じだ。しかも、退職していないからといって、再び役所に戻ったときには勤続年数が水増しされて、より多くの退職金を手に入れられる。

   こうした霞ヶ関の「外」への押しつけは、「天下り」ではないというのだろうが、ここまで「天下り」の定義を変えてまで、「天下り根絶」をいうのはおかしいだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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