「大分パルコ」は2011年2月で閉店
新幹線効果もあり、にわかににぎわってきた福岡市だが、小売り各社の台所事情は依然苦しい。パルコ自身、福岡パルコ開業のわずか3週間前、同じ九州にある「大分パルコ」(大分市)を2011年2月で閉店すると発表した。売り上げ減が激しいためといい、福岡パルコ開店の裏には、経営の軸足を福岡に移すという事情がある。また岩田屋は2009年10月、三越伊勢丹ホールディングスの完全子会社となったばかり。この4月からは三越福岡店と一体運営に取り組む考えで、まさに正念場を迎える。
全国の百貨店の09年売上高は前年比10.1%減の6兆5842億円で、24年ぶりの7兆円割れとなった。消費低迷が既存大型店を直撃する中、出店ラッシュの福岡市では、むしろ「オーバーストア感が否めず、供給過剰による将来の影響が心配」(地元小売り業者)との懸念が根強い。ある大手流通首脳は「これから相当厳しい淘汰が始まるだろう」と予測しており、し烈な顧客の食い合いは今後、避けられない見通しだ。