一般の企業でも年金減額起きる 会計基準変更で「困った」

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「確定拠出型」への移行が加速する可能性

   例えば、09年3月末に簿外の積み立て不足額が自己資本の5倍に達したコロムビアミュージックエンタテインメントは、09年9月、企業年金を受給しているOBの半数超に対し、一時金を支払う代わりにその後の給付を打ち切った。近畿日本ツーリストも、企業年金の給付額を引き下げる意向だ。

   大和総研によると、上場企業278社の09年3月末の年金積立不足は約21.5兆だが、このうち8.5兆円が簿外債務。その後の株価回復などで、簿外債務は改善している模様だが、リストラで減少した現役社員が、団塊世代など大量のOBを支える構図が変わらない限り、積み立て不足が生じやすい環境は続く。

   企業の多くは、運用環境が悪化しても保証利回り通りの企業年金を支払う「確定給付型」を残している。会計基準の変更で、運用成績次第で給付額が変わる「確定拠出型」への移行や、確定給付型の給付額を引き下げる動きが加速する可能性は高い。日本航空の企業年金減額問題で注目を集めた年金の積み立て不足だが、日航のような破たん企業だけでなく、一般の企業も年金減額の懸念は他人事ではなくなっている。

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