ロシアはベトナムに軍事協力約束して受注?
UAEで韓国に敗れた日立製作所は、「原発プロジェクトは、発電所の建設以外にもより広範囲での協力を求められる。メーカー同士の連携は必要になる」と、反省の弁を口にする。
このように、原発を新規導入する国では、発電所の建設から安全運転や保守・管理のノウハウ、人材育成など、メーカー単体では応えられない要求も少なくない。場合によっては外交がらみの、政府ベースで幅広く協力を求めてくるケースもある。
たとえば、ロシアの国営原子力企業のロスアトムに敗れたベトナムの第1期工事では、ロシアがベトナムに対して軍事協力を約束したことが受注に結びついたとも伝えられている。
ベトナムの第2期工事をめぐっては現在、フランスと激しい争いを繰り広げていて、鳩山首相がグエン・タン・ズン首相に親書を送ることを明らかにするなどトップセールスに乗り出したところ。
新会社について経産省は、「UAEの教訓を生かしたい」と話し、原発の運転や保守・管理のノウハウをもつ東京電力や関西電力など電力事業者を中心に協力を求める考え。「出資者や資本規模など、まだ決まっていないが、国際的な受注競争が激しくなる中でゆっくり構えているわけにはいかない。できるだけ早くに発足したい」と意欲をみせる。