「若者に起業勧めるのは嘘つき」 ひろゆきがホリエモンに反論?

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   2ちゃんねる開設者のひろゆき氏(33)が、就職氷河期だからといって、若者に起業を勧めるべきではないとブログで説いている。ホリエモンがブログで起業の勧めを書いていただけに、それを意識した可能性はあるが、どうなのか。

「若者に起業を勧める嘘つきな大人たち」

ひろゆきこと西村博之氏が、自らのブログで2010年3月14日、いきなりこんな刺激的なエントリーを更新した。

「素人いきなり参入しても失敗確率かなり高い」

ホリエモンを意識!?
ホリエモンを意識!?

   ひろゆき氏によると、不況で就職できないなら起業しろという文章をよく見かけるとして、思い立ったという。そして、「こういうことを言う人は嘘つきか、バカか、無責任な人」と挑発している。

   その理由として、ひろゆき氏は、社会人の経験も資本金もないのに、商品を作ったり、売り上げを上げたりするのは難しいことを挙げる。ITバブルの時期とは違って、今はどこの会社もITや商売の知識があるとして、「素人がいきなり参入しても失敗する確率はかなり高い」と断じた。

   もし素人の出番があるとしても、マルチ商法など一部に限られるという。

   ひろゆき氏は、不況時に起業を勧める人を「実業家ではない社会人」など3タイプに分けている。しかし、ブログのコメント欄には、ホリエモンを意識しているのでは、との声が相次いでいる。

   ホリエモンこと元ライブドア社長の堀江貴文氏(37)は、自らのブログで2月1日、この時代は起業するのが「一番安全で確実」と論じていた。その理由として、既存の会社の半分が「溺死」していく中で、自らの会社なら制御可能で氷山にぶつかりにくいことを挙げていた。そして、搾取されるフランチャイズオーナーはダメだが、「利益率の高い商売」などを兼ね備えた業種を選べばよいとしていた。

   いわば、こうした起業お勧め論について、ひろゆき氏の主張はアンチテーゼになっているということだ。

   実際は、ひろゆき氏がホリエモンを意識したのかどうかは、ブログでは分からない。とはいえ、ネット上では、不況下での起業の是非を巡って激論が交わされているのは事実だ。

「起業は、自立への最大のチャンス」

   例えば、人気ブロガーのChikirin氏は、2010年3月9日のエントリー「就職氷河期 サイコー!」で、不況下で若者が「『雇ってもらう』ことをあきらめ、起業する」などすれば、日本の未来は明るいとした。若者がITや創造性や語学などに夢を賭けるようになるからだという。

   一方、アメリカにMBA留学中の女性は同14日、自らのブログ「My Life in MIT Sloan」で、起業を助けるプロがいて凡人でも起業できるアメリカと違って、日本では、周到なビジネスプランと資金調達策がある「マッチョ」でなければ起業できない、などと指摘している。

   J-CAST会社ウォッチで「『稼げる人』の仕事術」を連載中の高城幸司セレブレイン社長は、社会経験がある程度あれば起業を考えてもいいとの立場だ。

「日本では、大学を出てすぐの起業は早急過ぎます。社会のルールを学んだ方がいいからです。そこが、社会経験のある大学生が多いアメリカとは違います。しかし、起業は、一つの選択肢として頭の中に入れていた方がよいと思っています」

   その理由として、高城氏は、日本でもはや会社が頼れない存在になっていることを指摘する。

「50歳以上の生活保証の見込みがある人は会社に残ってもいいですが、今は、会社でだらだら過ごしていると40代でリストラされる可能性があります。それで、起業しなかったことを後悔する人も多いんです。起業は、自立への最大のチャンスなんですね。将来が確約されてなくて、やりたいことが漠然とでもある人は、起業を考えて損することはありません」

   今後、若い人が増大する高齢者を支えられなくなったり、デフレでお金が稼げなくなったりすれば、生き残り術としての起業の重要性はますます高まるという。

   「20年前と違って、制度整備などで劇的に資金調達しやすくなりました。ネットの普及で初期費用も下がっています」。ただ、高城氏は、ベンチャー企業にオープンでない商習慣がまだネックになっているという。「日本で、フランチャイズが多いのはそのためですね。お金を出すよりむしろ、仕事を出すようにすべきです」と話している。

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