TBSの報道番組で「疑惑」が浮上している。ネットゲーム中毒の男性(40)を3ヶ月間追ったドキュメンタリーだというのだが、番組の映像をみると、撮影したとされる時期が実際の映像に出てくるカレンダーとは違うといった「不思議」な場面があるのだ。
問題の番組は2010年3月13日に放送された「報道特集」。「ネットゲーム依存からの脱出」というサブタイトルが付いた特集では、「ネトゲ廃人」がゲーム漬けの日々から脱出し、仕事を探し始めるまでの3ヶ月間を追っている。「ネトゲ廃人」とは、ネットゲームにハマってしまい、仕事を辞めたり、他のことには全く興味が無くなってしまったりして、廃人のようになった人を指す。
10年2月のはずなのに部屋の時計は09年12月
この番組が放送されてからネットの掲示板などで「TBSのネトゲ廃人特集で『捏造』疑惑浮上!」などといった書き込みが噴出した。
ドキュメンタリーの流れは、まず、09年11月12日に「ネトゲ依存」の男性宅をテレビカメラが訪れると、ネトゲにハマり半年前に仕事を辞めたという男性が、素顔と実名で登場する。ネトゲ歴は3年半で、たまの買い物や入浴以外はネトゲをやっている、という解説が入った。
大学時代のプロレス同好会の先輩が心配し、この男性の住むアパートを訪ねたが、男性は先輩に背を向け、パソコンでネトゲをやり続けた。
「疑惑」が出たのはこの後だ。番組ではこの3ヵ月後に再び男性のアパートを訪ねる。ナレーションで「10年2月のこと」だと説明した。男性はなぜか髪を切りスッキリした表情。「ネトゲ依存から脱出」していたのだ。「脱出」のきっかけは、父親が1月に死亡したこと。12年ぶりに故郷の大分に帰り、母親の苦労を見たからで、男性は大分に帰ることも検討。仕事も探し始めた。
しかし、10年2月のはずなのに、男性の部屋のデジタル時計は09年12月になっていて、部屋に張られたカレンダーも09年12月のまま。男性がネットで仕事を探す姿も映り、そのパソコン画面には、短期アルバイト募集の映像があり、採用期間は「即日~来年3月」となっていた。短期で1年以上というアルバイトがあるのだろうか。