「小さな努力でも少しずつすることが明日に生きる力になる」
女優の吉永小百合さんは2010年3月11日、東京・有楽町の日本外国特派員協会(FCCJ)で「年齢を重ねても良い仕事ができる理由」について尋ねた私にこう答えた。主演を務めた「おとうと」が第60回ベルリン国際音楽祭で日本作品初のクロ-ジングフィルムに選ばれ、特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラ賞を受賞したのを機会に山田洋次監督とともに記者会見した。
「若いときには気がつかない視点が見つかる」
吉永小百合主演映画「母べえ」でも監督を務めた山田洋次氏も1931年生まれの78歳。1961年の「二階の他人」でデビューして以来、約50年にわたって次々とヒット作品を生み続けている。山田氏は年齢を重ねても良い仕事を続けることのできる理由について、
「年のことは考えないようにしている。ただ若いスタッフたちには、君たちの名前を忘れるかもしれないが、イマジネーションする力は豊になるから君たちには負けないと言っている。年齢を重ねると、人間や人間社会を見るにあたり、若いときには気がつかない視点が見つかる」
と答えた。