野菜価格の下落を招く?
スーパーマーケット「マルエツ」も08年12月から規格外品を「わんぱく野菜」として毎週火曜日に全店舗で売り出している。契約農家から仕入れたジャガイモ、タマネギ、ニンジンなど約7~8品目。通常に比べて5~7割程度安い。売り上げは前年比約2割増と伸びている。
一方、消費者とは対照的に、生産者は複雑な心境だ。
きゅうりの生産量が日本一を誇る群馬県のJA全農ぐんま園芸担当者は、
「1人当たりの野菜の消費量は変わらないので、規格外野菜が売れれば、いいもの(規格野菜)が売れなくなる可能性もあります。そうなれば収入が減ってしまい、一概に喜べません。しかし消費者は安い規格外野菜を求める傾向にあり、板挟みになっています」
と打ち明ける。
農林水産省生産流通振興課の担当者も、
「野菜の生産量が減った09年8月頃は規格外でも高く売れ、JAなどに売るよう要請しました。でも元に戻った今、規格外を売れば流通量が増えますので、全体の価格を下げてしまいます。規格外品ブームがじわじわと効いて、価格に与える影響を考えると怖いですね」
といっている。