外国人が母国に残した子どもも対象  「子ども手当」不正防止できるのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」法案の審議が大詰めを迎えている。満額支給の場合、5兆6000億円の財源が必要なビッグプロジェクトだ。ところが、「日本在住の外国人が、母国で子どもを扶養している場合も支給対象になる」ことが国会の場で明らかにされ、波紋が広がっている。特に自民党からは、「海外に50人子どもがいたら、50人分払うのか」と、制度のずさんさを指摘する声が上がっている。

   子ども手当は、中学生以下の義務教育過程の子どもを対象に、月額2万6000円を支給するというもの。初年度の2010年度は、半額の1万3000円を支給する(児童手当含む)。現在、10年度向けの法案が審議されている。

公的機関が発行した証明書や送金記録を示すことが必要

   法案では、受給する子どもの住所についての規定がない「児童手当」の制度を踏襲しており、これが問題化しているのだ。厚生労働省の児童手当管理室では

「児童手当と同じように、国籍は要件ではなく、親が我が国に居住しているかどうかが要件。子どもが国外にいても、送金して面倒をみている事実が確認できれば支給対象になる。日本人の子どもが海外に留学している場合と同じです」

と話しており、日本在住の外国人の親が、海外で扶養している子どものための手当を受け取ることが出来るという訳だ。

   この問題は、10年3月5日の衆院厚生労働委員会でも問題化した。自民党の田村憲久議員が、

「『納得いかない』という住民の声として、『子ども手当が、日本に来られている外国人の方々が自国で育てている子どもにまで支給される』(ということがある)。これは民主党でも話題になっているようであります。これは事実ですか、大臣?」

と質すと、山井和則政務官が

「これは事実でありますが、児童手当の時と同じ形にしています」

と、やはり事実を認めた。

   手当の支給窓口になるのは地方自治体で、支給の可否も、基本的には自治体が判断する。外国在住の子どもに対して支給する場合、公的機関が発行した証明書や送金記録を示すことが必要だ。田村議員は、この点についても、きちんと運用できるかどうか危機感をあらわにした。

姉妹サイト