ライブドアホールディングス(LDH)が傘下のポータルサイト「ライブドア」の売却を検討していることが分かった。売却先で有力なのがポータルサイト「NAVER(ネイバー)」を運営する韓国のNHNではないかと囁かれている。LDH広報は「売却を検討しているのは事実だが、今のところ何も決まっていない」と話す。LDHは子会社の売却を進めていて「ライブドア」の売却により子会社はゼロになる。
ブルームバーグの2010年3月11日電子版によれば、LDHDは2010年1月にポータルサイト「ライブドア」売却の1次入札を行った。そこで候補に上がったのが韓国で最大のポータルサイトを運営するNHNや投資会社ロングリーチなど国内外の5社。この5社が10年3月17日に最終入札を行い、4月に売却先が決まる、としている。
売却か再上場かの選択があった
LDH広報によれば、04年の有価証券報告の虚偽記載事件以降、関連会社を順次整理してきた。ライブドアマーケティングやライブドアオート、弥生、ライブドアファイナンシャルホールディングスなど上場企業も多く含まれていた。ポータルサイト「ライブドア」も売却を検討していた一つで、売却か再上場かの選択があった。
同社広報によれば、
「ライブドアを売却する可能性があるのは事実。ただし、報道されている内容は当社が発表したものではなく、今後については何も決まっていない」
と説明した。「ライブドア」を売却すれば同社の子会社はゼロになる。
「子会社が無くなったからといって、事件に関する訴訟が数多く残っており、また、旧経営陣に対する責任追及もある」
とし、「『仕事』はまだまだ山積している状態だ」と話した。
09年7月に日本向け新サービスを再スタート
今回、「ライブドア」の売却が浮上したのは、ライブドア事件の訴訟が一段落したためと見られている。フジ・メディア・ホールディングス(旧フジテレビジョン) がLDHに対し、約345億円の損害賠償を求めた訴訟は09年1月22日にLDHがフジ側に約310億円を支払うことで和解が成立。09年12月25日にはLDHと元代表取締役社長・堀江貴文氏ら7人の和解が成立。 堀江元社長は保有していた株式など計208億7000万円をLDHに譲渡することが決まっている。
「ライブドア」の売却先最有力と見られているのが韓国のNHN。同社は1兆円の時価総額を持つといわれる総合ネット企業。00年に日本に進出したが、アクセスが伸びず05年に撤退。09年7月に日本向けの新サービスを追加し再スタートした。調査会社ネットレイティングスによれば、検索サイトの訪問者数が09年12月で134万人となり、順調にアクセスを伸ばしているという。ライブドアがここに加われば、日本でも有数のネット企業が誕生することになる。