道州制で静岡県は分裂? 浜松市長発言が波紋

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「浜松市長の発言は住民の生活感覚を反映したもの」

「静岡県は大井川を境にして生活感覚がだいぶ違う。大井川の東側の住民は東京を見ているのに対して、西側の浜松あたりの人は名古屋を見ている」

と話すのは、共立総合研究所主任研究員の江口忍さんだ。

   江口さんは2009年11月に、静岡県や三重県、長野県の住民の意識を示すデータを分析して「『東海州』の範囲はどこまでか」というレポートをまとめた。そこでは、市町村別の新聞購読シェアに注目。浜松市は、東京系の新聞(全国紙)よりも名古屋系の新聞(中日新聞など)を購読している人のほうが多いが、静岡市は、逆に東京系の新聞を取っている人のほうが多いことなどを挙げている。

「静岡県西部と愛知県は自動車産業の集積地という点で一体性が強い。浜松市長の発言は、住民の自然な生活感覚を反映したものといえるのではないか」

と江口さんは評価。道州制の議論を進めるためには住民の意思を無視できない、という考えを示した。

   地方自治問題を取材しているフリーライターの小川裕夫さんも、

「現政権が進めている地域主権改革で重要なのは、基礎自治体(市町村・東京23区)に権限を下ろすことだから、都道府県の枠にこだわる必要はない。平成の市町村合併では、長野県山口村と岐阜県中津川市のように地域の実情を反映した県境合併があった。道州制の議論でも、既成概念をとっぱらって考えていくべきだ」

と話している。

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