バンクーバー冬季オリンピックで人気を集めたカーリングを、自分でもやってみたいと始める人が増えている。初心者向けのカーリングスクールは数か月先まで予約でいっぱいで、家族連れや職場の同僚といったグループでの参加が多い。
バンクーバーオリンピックで解説を行った小林宏(62)さんが運営するカーリング施設「Curlplex Fuji」(山梨県山中湖村)では、初心者向けの体験コースを通年で開催している。オリンピックが始まるとすぐに2010年2月分の予約は埋まり、その後も団体客の予約が相次いで4月までほとんど埋まっているそうだ。
問い合わせは通常の5倍
インストラクターをしている女性は、
「問い合わせのメールや電話は通常の5倍あります。7月の問い合わせも来ています」
と明かし、かつてないほどカーリングブームを実感している。
体験コースは3時間かけて行われる。始めの1時間でルールの説明や基礎練習をし、残りの2時間でミニゲームを行う。
「1時間の講習を受ければ、だいたいの方はストーン(石)を投げたり、氷をブラシではいたりといった基礎ができるようになります。子どもからお年寄りまで安全に楽しめるスポーツですから、家族での参加が多いです」
北海道帯広市にも通年でカーリングができる施設がある。「Curlplex OBIHIRO」には3月に入ってから、通常の4倍の申し込みがきている。
ホールマネージャーの男性は、
「テレビで観て、私にもできるんじゃないかと思って始める方が多い。参加者は会社単位が半数を占め、お母さんたちのグループの申し込みもあります」
といっている。
カーリングゲームも売れ出す
都内でもカーリングスクールが開かれている。東京カーリングクラブはスケートリンクで毎月2回開催している。
倉本憲男事務局長は、
「普段は予定を公表してから1週間から10日後には埋まりますが、オリンピック後は2日でいっぱいになりました。4月以降は回数を増やす予定で、スケート場と交渉中です」
と話している。
1回あたりの定員は30人。参加者は20~30歳代が中心で、男女比は7対3。3~4回体験するとコツをつかめるようになるそうだ。もっと試合をしてみたいと言って社会人チームに入る人もいるという。
近くにスケート場がなくても、手軽にカーリングが楽しめるゲーム「カーリングテーブルゲーム」(ビーズ)もオリンピックの影響で注目されている。10年1月に100台、2月には400台が売れて、08年11月の発売から累計1400台を販売した。
長さ122センチ、幅34センチのボードと、鉄の玉が入ったプラスチック製のストーンがついている。遊び方は2つのチームに分かれて、交互に8回ずつストーンを円の中心を目がけて滑らせるだけ。ブラシではくことはできないが、基本的なルールは同じだ。
ビーズ(大阪府東大阪市)の開発担当者は、
「関西ではスケート場が少ないので、小さいお子さんのいる家庭やダーツバーなどで手軽に楽しんでいただいています」
と話している。