チリ大地震による津波の情報を、原口一博総務相がツイッター(Twitter)で流していたことについて、読売新聞が批判的な報道をした。その書き方に対してネットユーザーやフリージャーナリストから反発する声があがっている。
ツイッターで日々の業務の報告や意見を発信している「ツイッター大臣」の原口総務相。2010年2月27日(日本時間)にチリでマグニチュード8.8の大地震が発生すると、さっそく災害対策本部を立ち上げるとともに、自らのツイッターアカウント(@kharaguchi)で日本に襲来する恐れがある「津波」の情報を積極的に流していった。
「今後、論議を呼ぶ可能性がある」と批判的に報道
消防庁の災害対策本部で陣頭指揮をするかたわら、
「津波の到着情報 根室花咲 午後1時57分 30cm 南鳥島 午後0時57分 10cm 海岸に近づかないでください」
「大津波警報発令地域市町村(3県36市町村)における対策の状況 避難勧告の出ている地域の対策本部の状況 宮城県気仙沼第一波 不明 最大波 14時10分 0.1m」
といった具体的な情報をツイッターに投稿していった。その内容は5万人以上もいるフォロワー(読者)に届けられただけでなく、それを受けた人が伝言ゲームのように次々とリツイート(再投稿)したことで、より多くのユーザーに知れ渡ることになった。
原口総務相の行動は3月2日の記者会見で取り上げられ、新聞やテレビが報道した。なかでも、読売新聞は「原口総務相弁明…ツイッターで津波情報流してた」という見出しの記事を同社サイト「YOMIURI ONLINE」に掲載。記者会見での大臣の言葉を引用しながら、
「放送行政と総務省消防庁を所管する総務相が、災害放送が義務づけられる放送機関より、ツイッターの利用を優先させる考えを示したことは、今後、論議を呼ぶ可能性がある」
と批判的に報じた。ツイッター上でも、
「思いつきの軽い言動が国民の生命財産をも危険にさらすリスクが潜在していることも認識せずに、通信行政を司る総務大臣とはなんとも嘆かわしい」
「結果論としては落ち度はないが、万が一誤報になったときに原口が全責任を終えるのかが疑問」
と原口総務相の判断を疑問視する声が少し出た。しかし大半のユーザーは、原口総務相に同情的で、
「間違っていない。緊急性のある事ならば、どんな手を使っても国民に広めるべき!
「自分に教えてくれなかったことへ腹いせの記事。参ったねこれは」
といった擁護コメントが多数投稿された。