意識調査だと半数が賛成
連休が分散すれば、国民にとってもメリットがあると考えられている。観光地が混まなくなるので、旅行料金はピーク時よりも下がり、観光地で働く人は雇用の安定が期待できる。
観光庁が行ったゴールデンウィークの分散化に関する国民意識調査(有効回答4123人)によると、「どちらかといえば賛成」が34.6%、「賛成」は15.1%となり、半数が賛成している。「道路・交通機関や各種施設の混雑緩和につながることが期待できるから」(86.8%)、「交通機関の切符、宿やツアーの予約がとりやすくなることが期待できるから」(60.1%)といった理由だ。
一方、「どちらかといえば反対」が21.6%、「反対」が11.2%。「分散化させると、この時期の祝日のそもそもの意識が薄れてしまうから」(68.7%)、「この時期に各自が分散して休みをとると、逆に業務に差し障りが出てくることが懸念されるから」(29.0%)、「祭事やイベントに参加しづらくなるから」(28.3%)といった理由だ。「わからない」という意見は17.5%。
前出の東京大学西成教授は、
「いきなり始めると社会経済への悪影響も懸念されるので、例えばシルバーウィークなどの連休で社会実験をするのが良いと考えています。また、重要なのは経済対策です。中小企業はなかなか休めないところも多く、『有給休暇消化法』のようなものも同時に始めないといけない。たとえば社員500人以上の企業は有給消化を義務化するという案が考えられ、ドイツなど海外では実践しているところもあります。これとセットで意味のある休日分散になると考えています」
と話している。