「大型連休分散」11年にスタート? 渋滞緩和で「もっと旅行して!」

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   5月のゴールデンウィークなどの大型連休を地域ごとに分散させる―そんな休暇分散化案が政府で持ち上がっている。渋滞や混雑をなくして観光需要を創出しようという狙いで、早ければ2011年にもスタートの予定だという。

   前原誠司国土交通相が本部長を務める観光立国推進本部で「休暇分散化ワーキングチーム」が立ち上がり、第1回目の会議は2009年12月に行われた。

   辻元清美国土交通副大臣が座長を務め、内閣官房副長官、総務大臣政務官、経済産業大臣政務官など各省庁のメンバーも参加している。そこで検討されているのは春と秋に大型連休を設定し、取得時期を地域によってばらけさせるという案。背景には渋滞の緩和や観光地の混雑を防ぎ、もっと旅行してもらおうという狙いがある。

年間祝日は15日間のまま

分散化で渋滞もなくなる?
分散化で渋滞もなくなる?

   「北海道・東北・北関東」「南関東」「中部・北陸信越」「近畿」「中国・四国・九州・沖縄」の5つのブロックに分け、取得時期がかぶらないようにする。期間は祝日3日と土日を含めた5連休となりそうだ。

   ただし年間祝日は15日間のままで増えることはなく、春の連休は5月の「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」を、秋については7月の「海の日」、9月の「敬老の日」、10月の「体育の日」を振り替える。この6日については祝日ではなくなるため、祝日を休日とするよう定めている国民祝日法の改正が不可欠だ。

   早ければ2011年以降の導入となり、10年秋の臨時国会で国民祝日法改正案を提出すると見られている。3月3日の分科会で日本経団連、日本商工会議所など経済界に意見を求めた。労働、教育関係者にも順次、意見を聞く。

   数年以上前から渋滞の根本的解消として連休分散化を唱えている東京大学先端科学技術研究センター西成活裕教授は、

「渋滞解消の根本である『時間と空間での車の分散』というものから自然に考えられる方法で、フランスはすでにかなり前からとりいれています。このことを7年ほど前に知ってから日本でも取り入れるべきだと考えていて、09年に馬淵澄夫国土交通副大臣に直接提言したこともあります」

といっている。

   西成教授によると、1車線につき1時間に約2000台以上の車が集中すると、「絶対に渋滞する」ということが研究で明らかになっている。この「容量」を超えない仕組みを考えていかなければ、どんな渋滞対策も意味がないそうだ。

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