不景気の影響で休日に家の中で過ごす「イエナカ」志向が高まり、オシャレなルームウェアの売れ行きがいい。若い女性から火が付いて、最近は幅広い年齢層に広がっている。通販会社をはじめ、大手下着メーカーや百貨店も力を入れ始めた。
洋服に比べてサイズ展開が限られているルームウェアは、試着しなくても失敗が少ない。そのため手軽に通販で買う人が多く、通販会社が力を入れている領域だ。ディノスはファッションサイト「グラミカ」で「大人スウィートなルームウェア」を提案し、チュニック(丈の長いトップス)やオールインワン、レース付きネグリジェ、フェイクファーがついたスリッパなどを揃えている。ニッセンもサイトで、安くてかわいい「安カワ」ルームウェアの特集を組んでいる。
「家の中では好きなものを着ていたい」
インナーウェアを通信販売するピーチ・ジョンは、フリルがたっぷりついた「姫系」ルームウェアを展開する。ショートパンツ、キャミソール、ロングカーディガン、オールインワンと豊富な種類があり、好みに従ってコーディネートすることが可能だ。売れ行きは好調で、20歳代から30歳代後半まで幅広い女性が買っていく。同社の中心顧客よりも年齢はやや高めだそうだ。
同社広報担当者は、
「いくつになってもフリルやピンクが好きだという女性もいます。外に着ていくのは抵抗があっても、家の中では好きなものを着ていたいと思うようです」
と話す。
不景気の影響で休日を家の中で過ごす「イエナカ」派が増えたことも、ルームウェアの売れ行きを後押ししている。ところが、これまで部屋着を作っていなかったアパレルメーカーなども取り扱うようになり、競争は激しくなっているようだ。