中国や韓国からの「サイバー攻撃」が問題化するなか、その影響とみられるシステム障害が表面化した。大規模匿名掲示板「2ちゃんねる」が2010年3月1日13時すぎ、突然アクセスできなくなったのだ。現段階では、その原因は明らかになっていないものの、韓国紙では、3月1日13時に2ちゃんねるを攻撃しようというポータルサイト上の動きを伝えており、「2ちゃんねるのダウンは韓国からのサイバー攻撃が原因」との見方が有力だ
。2ちゃんねるに異常が起こったのは、2010年3月1日13時過ぎ。突然、2ちゃんねるのあらゆるサーバーに接続できなくなったのだ。
韓国大手ポータルサイトに2ちゃん攻撃のコミュニティー
2ちゃんねるへのアクセス状況を一覧できるサイト「2ちゃんねるサーバ監視所」によると、2ちゃんねるのサーバーの大半が、13時過ぎに「エラー状態」になった。いわゆる、「サーバーが落ちた」状態だ。
このサーバーダウンがサイバー攻撃によるものかどうかは、まだ明らかになっていない。だが、2ちゃんねるが攻撃される「伏線」とも言える動きはあった。
韓国大手紙の「朝鮮日報」と「中央日報」が相次いで報じたところによると、2月23日、大手ポータルサイト内に3月1日に2ちゃんねるを攻撃することを目的としたコミュニティーが立ち上がり、2月末の時点で約6万5000人が登録している。
3月1日は、1919年の朝鮮半島で、日本の統治に反対して独立を求める運動が行われた記念日として知られており、韓国では「三一節」として祝日に指定されている。今回の攻撃も、これにちなんだ運動だとみられる。
2ちゃんねる上では、2010年2月にロシアで韓国人留学生が殺害されたことを歓迎したり、2月24日に行われたフィギュアスケートの金妍兒(キム・ヨナ)選手のショートプログラムの演技について「採点がおかしかった」と揶揄するかのような書き込みがあったとされる。このことが韓国のネット利用者の反日感情に、さらに火をつけた模様だ。
2ちゃんねる全体が影響を受けるのは異例
コミュニティー内には、サイバー攻撃の手引き書のようなものまで掲載されており、
「攻撃は、ウイルスプログラムを使って行え。プログラムに不慣れなのであれば、F5キーを押してトラフィックを誘発しろ」
といった「指南」までされているという。
また、中央日報によると、コミュニティーの参加者は「1日午後1時、『2ちゃんねる』に対する攻撃を始めることにした」といい、2ちゃんねるに異常が起こったタイミングとも符合する。
2ちゃんねるをめぐっては、中国や韓国からの攻撃で一部サーバーがダウンすることは珍しくないが、2ちゃんねるの全体が影響を受けるのは異例だ。今回のトラブルでは、14時過ぎには一部のサーバーが復旧し、16時過ぎには大半のサーバーが復旧。ところが、17時過ぎには、全体の3分の1程度がダウンした状態で、断続的に攻撃が続いている可能性もある。