マイクロソフト・オフィスを無償ソフトに切り替え
一方、愛知県豊川市では、市役所内のパソコンに搭載されている標準オフィス・ソフトを「マイクロソフト・オフィス」から、オープンソース方式で開発されている無償ソフト「オープンオフィス・オルグ(OpenOffice.org)」に切り替えた。2009年12まで月に市役所内のパソコン約1000台がインストール済みで、今は移行期間で併用しているということだ。
マイクロソフト・オフィスの場合、新製品が出た場合などにアップグレードしようとすると、インストールする必要がある。その際、ライセンスの更新料がかかるが、無償ソフトではそれがない。情報システム課の話では、一台当たり約4万円の更新料を考えると、将来的に大幅にコスト削減ができると見ている。「限られた予算の中でニーズのあるサービスはできるだけ継続していきたい。そのためのコストの見直しであり、捻出なのです」とその狙いを語る。
無償ソフトでもサポートがあり、機能面でも問題なく使える。「オープンオフィス・オルグ」には文書作成ができる機能「ライター」、表計算機能「カルク」、プレゼンテーショ機能「インプレス」などがある。それぞれが「ワード」、「エクセル」、「パワーポイント」によく似た機能を持っている。互換性があるので、ファイルを開くことも可能だ。ただし、見え方が違うケースや互換性がない場合も一部ある。国や県から送られる資料にはマイクロソフト・オフィスが必要なことも考えられるので、豊川市では対応するパソコンをいくつか残しておく方針だ。
なお、自治体が「オープンオフィス・オルグ」を利用するケースは、福島県会津若松市が2008年5月に、愛媛県四国中央市が2009年3月に市役所内で導入することを発表しており、徐々に進んでいるようだ。