タレントの島田紳助さん(53)が、羞恥心に続いて、次々とアイドルユニットを送り出している。柳の下のドジョウ狙いでは、ブレークさせるのは大変と知っているはずだが、なぜ敢えて、この轍を踏むのか。
「本当に僕でいいんですか」
島田紳助さんに呼びかけるような名前のセカンドシングルを2010年2月24日に発売したのは、5人組イケメンユニット「新選組リアン」だ。
新選組リアンから「お父さん」と呼ばれる
このユニットは、紳助さん司会の日テレ系番組「人生が変わる1分間の深イイ話」から生まれた。紳助さんが京都の観光人気を復活させようと、現地の大学生約2500人からオーディションで選んだのが5人だ。彼らは「歌もダンスもトークもできなかった」と謙遜するが、すでにいくつかの紳助さんの番組に引っ張り出されて顔を売っている。無名から芸能界入りしただけに、メンバーらは、紳助さんを「お父さん」と呼ぶほど慕っているようだ。
彼らに限らず、紳助さんはこのところ、アイドルユニットの発掘に熱心だ。
おバカブームを生んだフジ系の「クイズ! ヘキサゴンⅡ」では、2010年2月10日、羞恥心に次ぐイケメントリオ「サーターアンダギー」をデビューさせた。こちらは沖縄ゆかりのユニット名や曲名が売りで、新選組リアンのリーダーのほかに、モデル山田優さん(25)の弟やヘキサゴンオーディション優勝者らをメンバーにしている。インタビューでは、メンバーらが紳助さんの名を連呼しており、心酔している様子だ。
ところが、シングルなどの売り上げは、伸び悩んでいると報じられている。
新選組リアンが09年10月に発売したデビューシングル「男道」は、オリコンチャート初登場3位になったものの、セカンドシングルは8位。また、サーターアンダギーのデビューシングル「ヤンバルクイナが飛んだ」は、オリコン初登場5位に留まり、売り上げもそれほど多くないようだ。
原因としては、「ドジョウ狙い」で苦戦しているのと、おバカキャラがあきられてきたことなどが指摘されている。
背景に、高額ギャラと年齢の焦り??
ところが、島田紳助さんは、それでもさらに新人のプロデュース業に精を出すというのだ。それは、TBSが2010年2月24日に発表した4月からの新バラエティ番組「紳助社長のプロデュース大作戦!」だ。
視聴率が低迷していた「総力報道! THE NEWS」に変わるもので、特番をレギュラー番組に衣替えして火曜日の午後7時から放送する。これまでは、紳助社長が様々な人材をスカウトするという内容になっている。
テレビ局の考えもあるが、紳助さんは、なぜそこまでプロデュースにこだわるのか。
テレビ批評で知られる作家の麻生千晶さんは、その狙いについて、こう推測する。
「芸能界で、若い人たちに恩義を与えて、人脈を作ろうとしているのでしょう。若い人は、番組でからかわれて恥ずかしい思いをしますが、それで有名になることができます。いわば、持ちつ持たれつの関係を作っているということですよ。取り巻きを増やせば、芸能界での勢力拡大につながります。実際、羞恥心のメンバーたちも、成長してドラマなどで独り立ちしていますし」
その背景については、テレビ不況で、一つ上の世代に当たる高額ギャラのタレントが次々に番組から消えていることがあるとみる。
「紳助さんご自身が、焦っているのではないかと思います。確かに、テレビ界を席巻する売れっ子タレントで、若い人を売り出すアイデアマンではあります。しかし、超高額ギャラをもらっていますし、年も年だと考えているでしょう。所属の吉本興業はシビアで、問題があると追い出される可能性があります。永久にビッグネームが保証されているわけではありませんから、人脈がないとこれからは厳しいわけです。柳の下のドジョウには、失敗のリスクもありますが、成功すれば御の字と考えているのではないですか」