ペイオフ限度額引き上げには「反対」
民間金融金融機関が破綻してペイオフが発動された場合、元本のうち1000万円までしか保障されない。このため、貯金の限度額が引き上げられれば、民間金融機関に預けた預金のうちペイオフで保障されない1000万円超の部分は、政府出資による「暗黙の政府保障」がある郵便貯金に流入しかねない。特に、経営体力の弱い信金・信組の不安が強いため、ペイオフの保障額を引き上げて釣り合いを持たせるという理屈だ。
もっとも、補償額を引き上げると保険料負担も重くなる可能性がある。また、現状はペイオフの1000万円という線があることで、元々メガバンクや地銀などに預けられていた預金の一部が信金・信組に回ってきているという「限度額の恩恵」もあるのが実態。このため、信金・信組だけでなく地銀なども限度額を同時に引き上げられれば、逆に信金などから預金が「逆流」する懸念もある。22日に信金・信組側がこうした懸念を伝えると、亀井氏はあっさりと構想を撤回した。
民間機関は郵貯肥大化に神経をとがらせており、信金・信組を銀行と切り離そうという「分断作戦」だが、中途半端な「アメ」では難しそうだ。