民主党が長崎知事選で利益誘導の圧力をかけていたのではないか、と報じられている。選挙協力すれば道路を作るなどと持ちかけていたというのだ。しかし、同党側は、「相手が要望に来たためで、権力利用ではない」と反論している。
長崎は、地方では、民主党が比較的強い県として知られる。2009年8月の衆院選でも、風が吹いたとはいえ、4つの小選挙区すべてで同党候補が当選している。
小沢氏「高速道路をほしいなら造ることもできます」
ところが、10年2月21日に投開票が行われた県知事選では、自民党などが支援する候補が、民主党推薦候補に9万票差で圧勝した。
その理由として、マスコミで報じられるのが「政治とカネ」の問題だ。読売新聞の出口調査では、この問題を判断材料にしたと4割が答え、その6割が自民党支援候補に投票していた。
カネと言えば、利益誘導もその一つ。知事選前には、民主党幹部らが次々にこれを持ちかけていたと、新聞やテレビが取り上げている。
21日付産経新聞によると、民主党の小沢一郎幹事長は、1月17日にあった同党長崎県連のパーティーで、「(推薦候補の)橋本剛君を知事に選んでいただければ自主財源となる交付金も皆さんの要望通りできます。高速道路をほしいなら造ることもできます」と話した。
また、2月22日放送のテレ朝系「スーパーモーニング」では、石井一選対委員長が1月29日の応援演説で、「時代と逆行するような選択をされるのなら、民主党政権は長崎に対してそれなりの姿勢を示すべき」と語ったと報じた。
特に、道路整備については、熱を入れていたようだ。日経の2月22日付記事によると、石井氏は、1月28日の決起大会で「島原には道路は造らんといかん」と訴えたという。さらに、前原誠司国交相も、島原で道路を視察し、同30日には「お金も権限も来る」と支援を呼びかけたと報じられている。