問われる豊田章男社長の「資質」 公聴会の厳しい質問どう受け答え

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   トヨタ自動車の大規模リコール(無料回収・修理)問題をめぐる米国議会での公聴会を直前に控え、米国の代表的なメディアでは、トヨタをめぐる報道が相次いでいる。その中には、豊田章男社長の資質に疑問を投げかけるものも少なくなく、英語力のつたなさや、会見のお辞儀の仕方を指摘するものもある。

   一連の問題をめぐり、米議会下院のエネルギー・商業委員会は現地時間2010年2月23日午前(日本時間2月24日未明)公聴会を開始。トヨタ米販売子会社にジム・レンツ社長が出席する。翌2月24日に開かれる下院・政府改革委員会には本社から豊田章男社長が出席、豊田社長はすでに米国入りし、綿密に準備を進めているとされる。

「MBAを取得しているが、英語はたどたどしい」

章男社長は公聴会で、どう受け答えするのか(写真は国内での記者会見)
章男社長は公聴会で、どう受け答えするのか(写真は国内での記者会見)

   米メディアでも、この問題に関する注目度は高いままだ。そんな中、豊田社長は22日には、「トヨタは基本に立ち戻るとき」と題した文章をウォール・ストリート・ジャーナルに投稿し、

「すべてのトヨタ車には私の名前が付いている。車が傷つけば、それは同様に私が傷つくようなものだ。私は車を愛しているし、お客様が愛する車を提供することは、一番の喜びだ。私は、他の誰よりも、トヨタ車が安全であることを願っているし、私たちの車をお客様に運転していただくときに安全だと感じていただけることを願っている」

と訴える一方、

「この数年、我々がお客様の声に注意深く耳を傾け、素早くお客様の懸念に対応していなかったのは明らかだ」

と、明示的な謝罪ではないものの、反省の弁を述べた。

   だが、米メディアからの「逆風」は続いている。同紙は翌2月23日には

「巨大自動車メーカーのリーダーシップへの支持が揺らいでいる」

と題して、本社の中間管理職が、

「豊田社長が、どのようにして消費者の不安を和らげるかを説明できないから、(記者会見で)話すたびに状況が悪化する」

と社長を批判する声を掲載。さらに、英語力不足も指摘されている。

「豊田社長は、公聴会では通訳を使う。豊田社長は、マサチューセッツ州のウェルズリーにあるボブソン・カレッジでMBAを取得しているが、リコールを発表した最初の会見で、米国の視聴者向けに英語でコメントを求められて明らかになったように、英語はたどたどしい」

米議員のトヨタとのつながり問われる?

   AP通信も同様で、2月23日に配信した「無口なトヨタ社長は『日本株式会社』では普通だ」と題した長文記事の中で、日本の大学入試では英語の文法力が求められる一方、会話力は求められていないことなどを理由に、「高い教育を受けた日本人でも、英語が流ちょうでないことは普通のことだ」とした上で、

「豊田社長は英語の声明を読むのには何の問題もないが、会見でのつたない英語からすると、議員からの厳しい質問を受けた時に、その場で受け答えするのに苦労するだろう」

と論評している。

   また、同記事では、国内で行った謝罪会見で、お辞儀の角度が浅かったことを指摘。その上で、

「日本の危機管理の専門家の中には、『深いお辞儀をせずに済ます』という形で、慣習を無視したことに対して批判的な向きもある。米議会では、はるかに困難な出来事が待ち構えているだろう」

と、公聴会では激しい批判にさらされる可能性を示唆している。

   ニューヨーク・タイムズは別の見方で、2月23日、

「公聴会の開始で、議員のトヨタとのつながり問われる」

との記事を掲載。

「トヨタは、米国では大きな雇用を生み出しており、ワシントンでは大規模にロビー活動を行っている」

と指摘した上で、政府系の監視機関が、尋問が正しく行われるかどうか警戒している様子を報じている。

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