「セクシー系」アプリ続々削除 アップルに開発者がブーイング

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   アイフォーン(iPhone)向けのアプリケーション(アプリ)のダウンロード数が増えるなか、アップル側がオンラインストアで配信を認めたアプリが、突然削除されるという事態が発生している。対象となったのは、ビキニや下着姿が掲載された「セクシー系」のアプリ。国内でも削除対象になったアプリがあり、関係者からは、言わば「後出しじゃんけん」とも言える手法に対するブーイングの声もあがっている。

   アイフォーンの利用者がソフトをダウンロードするためには、利用者登録をした上で、「アップストア」(App Store)と呼ばれるウェブサイトを利用する。アップストアには、有料・無料あわせて10万本以上のアプリが登録されており、これまでに30億回以上ダウンロードされている。ソフト開発会社がアップストアにアプリを登録するためにはアップル社の審査に合格することが必要だが、その審査基準をめぐって、波紋が広がっている。

5000本以上が削除された?

   一度はアップルの審査を通過して配信が始まったアプリが、続々と削除されているのだ。ソフト開発会社は、アップルから事前に予告されることもなく、事後に以下のようなメールを受け取るのみだ。

「御社のアプリ●×(アプリの名前)は、元々は(アップストアでの)配信に適切だと信じていたコンテンツを含んでいます。しかし、最近になって、この種のコンテンツに関する苦情が消費者から多く寄せられ、ガイドラインを適切に変更いたしました。我々は、アップストアから、過度に性的なコンテンツを削除することを決定し、それ(削除対象)に御社のアプリも含まれています。(中略)●×を、最近のガイドライン改定に適合するように変更できるとお思いであれば、そう(アプリを変更)して、審査のために再提出なさることをお勧めします」

   どの程度の規模でアプリ削除が行われたかは明らかになっていないが、「5000本以上が削除された」とブログで主張するアプリの開発者もいる。

「多少の事前告知期間や猶予期間はあって然るべき」

   この問題は、2010年2月18日から19日(米国時間)にかけて、 IT専門ブログの「テッククランチ」(TechCrunch)や米ウォール・ストリート・ジャーナル紙でも相次いで報じられている。両メディアでは、この背景について、学校向けの売り込みが期待されているタブレットPC「アイパッド」(iPad)リリースを直前に控えていることと関係があるとの見方をする一方、アップルは両メディアに対して

「アプリに不適切なコンテンツが含まれていることが分かった場合、アプリを削除した上で、開発者に対して、アップルが配信するために必要な変更を行うように依頼している」

とコメント。具体的に「どんな内容だったら駄目なのか」といった基準には触れていない。

   国内でも「セクシー系」のアプリが削除にあったケースが複数確認されており、関係者からは批判の声があがっている。

   例えば都内でアイフォーンのアプリを開発している会社の社長は、

「アップルの審査基準は元々フェアだとは思われていませんが、それにしても、今回は影響が大きすぎます、これまで許容されていた基準をもとにビジネスを始めたプレーヤーが、『やっぱり(その基準は)ナシです』と言われる。非常に理不尽です。アダルト系のアプリでは、2000万円ぐらい売り上げていた会社もありますが、これがゼロになってしまうんです。プラットフォームを運営する会社として、これはあり得ないでしょう。せめて、多少の事前告知期間や(アプリを修正するための)猶予期間はあって然るべきだったのではないでしょうか。これでは、まるで風俗の一斉摘発みたいです」

と憤っている。

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