かつて一世を風靡したボクシング漫画「あしたのジョー」が、TBS制作で実写映画化が進んでいることが関係者の証言で分かった。矢吹丈役の主演には、アイドルグループ「NEWS」の山下智久さん(24)が抜てきされるとの情報が流れている。ただ、国民的人気漫画だけに、実写化や主役には異論が続出している。
「実写化は、すでに決まっています。ジャニーズ事務所に問い合わせがあり、2009年9月には、主演が山P(山下智久さんの愛称)にほぼ決まっていました」
ある芸能関係者は、J-CASTニュースの取材に、こう明かす。
TBS制作で、5月に撮影がある?
あしたのジョーは、故高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつやさん作画で、1967~73年まで週刊少年マガジンで連載された。テレビアニメ化され、主役の矢吹丈とライバルの力石徹の死闘は、お茶の間の目を釘付けにした。力石が壮絶な死を迎えるクライマックスシーンは、特に有名だ。
そんな名作が実写映画化されるとの情報は、ネット上でも出回っている。8000人近くが参加するミクシィの「あしたのジョー」コミュニティでは、10年2月12日、近所の広場で丹下ジムなどのオープンセットが建設され、5月に撮影されるとトピックで紹介された。また、真偽は分からないが、一部では、映画は3月末にクランクインし、5月ぐらいまでが撮影期間になっているとも報じられている。
そこで、制作を担当するとされるTBSの映画事業部に取材すると、「いろいろ制作していますが、順次発表していますので、正式な発表を待って下さい」とのことだった。主演が山下さんになるのかについても、明言しなかった。
出版元の講談社に聞くと、実写映画が制作される方向であることを認めたうえで、「TBSが仕切っていますので、そちらに聞いて下さい」(広報室)と答えた。ちばてつやプロダクションのマネージャーは、「いつでもそういうお話があり、まだ確定の段階ではありません。特に発表の時期ではないので、実写化の有無についてどちらとも答えないように言われています」と話す。
「主人公のイメージに合わない」の声
矢吹丈役を山下智久さんが務めるかどうかについては、はっきりした情報はない。前出の芸能関係者は、こう言う。
「ジャニーズ側が、共演者について『それじゃできない』と難色を示して、いったん山P(山下さん)に決まったのが、保留になったと聞いています。しかし、たぶん主演は決まっていて、ぼちぼち発表になるのではないかと思います」。
また、ある大手芸能プロの幹部は、「山下さんの共演者を巡ってもめていたのは、聞いています。その後どこに着地したのかは、聞いていません」と言う。一方、ジャニーズ事務所では、取材に対し、担当者が外出中と答えるだけだった。
名作漫画の実写化を巡っては、主演に抜てきされたタレントが主人公のイメージに合わないなどと反発も根強い。若いジャニーズタレントが選ばれることが多いが、そのたびに、ネット上で物議を醸している。
「あしたのジョー」についても、一部で、山下さんにほぼ決まったと報じられると、ネット上で、異論を唱える書き込みが相次いだ。ミクシィコミュニティのトピックでは、反対する声がかなり多く、2ちゃんねるでも、「こうやってまた名作が潰されていくのか」「男臭さ感じない奴にさせるなよ」などと書き込まれている。
前出の芸能関係者も、映画が受け入れられるかどうかについては疑問を示す。
「山下さんらのジャニーズファンには、あしたのジョーをテレビで見た世代はいません。テレビ局は、放送外収入でやらないと食べていけないんでしょうが、どうなんだろう、映画として当たるのかな、とも思います」
ただ、山下さんについては、役作りをすればこなせるとみている。
「山Pは、バスケットボールのドラマで体を作っていました。原作漫画の主人公も筋骨隆々には見えませんし、役作りでボクシングの練習をすれば、問題なくこなせると思いますよ」