異論も考えて、抗議などはせず
こうした異論については、どう考えたらいいのか。
日本ハンセン病学会の庶務幹事をしている石井則久・国立感染症研究所ハンセン病研究センター長は、異論も考えて、抗議や販売中止要求ではない形にしたと説明する。
「ネット上などでは、反論もあるのは分かります。一般の方には、『別に構わないじゃないか』『ゲームの範囲内に過ぎない』などと、いろいろな意見があることでしょう。こうしたことを考えて、要望書という形にしました。質問の形にもしていませんので、カプコン側が要望書をどのように認識するか、だと思っています」
ゲーム内容を知ったのは、一般の人から、「こんなゲームがありますが、学会としてはどうしますか」と聞かれたことからだという。そして、学会内部で検討した結果、要望書の形に落ち着いたとしている。
カプコンの広報・IR室では、「今の時点では、要望書が会社に届いていませんので、受け取ったうえでないと、回答は難しいです。受け取ったうえで、対応を検討していきます」と答えている。
要望書とは別に、ハンセン病差別につながるかどうかについて聞いても、「要望書とリンクして受け止められてしまいますので、やはり要望書の内容を確認した後でないと、安易にコメントできません」と言っている。
ちなみに、大谷吉継は、他人も不幸に陥れようとする側面があったかについてはよく分からないものの、ある歴史書によれば、広く民衆を愛し、善悪の別もわきまえていた賢人とされている。