お菓子や食べ物に付いている「おまけ」は昔から子どもを楽しませてきた。「グリコのおまけ」が知られているが、今では精巧なフィギュアがつくものもある。最近は「動き」をもたせる工夫もされている。ハンバーガーやドリンクなどに「おもちゃ」をつけた日本マクドナルドの「ハッピーセット」がそれだ。時代に合わせてこの分野も変化を続けている。
ガンプラ付きカップヌードルが話題に
食品に付くおもちゃの代表格といえば「グリコのおまけ」だ。1929年に「おまけ小箱」が考案されて以来、乗り物や動物、家具をモチーフにした小型玩具を付けてきた。江崎グリコ広報によると、時代によってさまざまに変遷したらしい。
高度経済成長の時には家電製品を模したものが増え、80年頃からはカラフルなヒーロー風おもちゃがあった。90年代に入ってからはおもちゃデザイナーのアドバイスも聞き入れて、乗り物や動物がコロコロと動く工夫をした。同社広報は「子どもが遊びやすいものにすること、自由な発想で遊べるようにすることがこだわりです。親子で遊んでもらえるような工夫もある」と明かす。2010年3月には、5年ぶりに木製玩具が復活する。おまけには「だるまおとし」や「カスタネット」などが付く。
最近ではお菓子に付くおまけの種類も増えた。フルタ製菓が1999年に売り出したお菓子「チョコエッグ」は、チョコレートの中に玩具を入れた趣向が受けてヒットした。封入されたフィギュアは模型製作で有名な海洋堂が手がけ、親指の先ほどの大きさの動物が精巧に作られていたのが評判に。お菓子のおまけにミニチュアのフィギュアがつけられる走りになった。
ほかにも、コンビニエンスストアではペットボトルや缶コーヒーには、ボトルキャップや携帯ストラップが付くケースもある。2009年夏には、日清カップヌードルのおまけに380分の1スケールのガンダムのプラモデル(ガンプラ)が数量限定で売り出され、話題を呼んだ。
親子二世代で楽しめる「ヤッターマン」がハッピーセットに登場
一方、日本マクドナルドは1987年、ハンバーガーやドリンクなどに「おもちゃ」をつけ「お子さまセット」として売り出した。その後、「ハッピーセット」と名称を変えて発展し、今では年間で1億個以上を売り上げる人気の衰えない商品である。この数は実に、3~9歳の子供全員が一年に約10回買った計算になるという。
発売以来変わらず子供たちに支持されているハッピーセットについて、日本マクドナルドのマーケティング本部・須藤順一さんは、「おもちゃは時代の流行を取り入れ、子どもに喜ばれるキャラクターを選んでいます。また、おもちゃには『動き』を持たせるように工夫し、ボタンを押すと喋ったり、光ったり、走ったり。動きは忠実に見せるようにしています」と話す。
キャラクターに関していうと、昔はマクドナルドのキャラクターをあしらったものだったが、最近では子供たちに人気の高いアニメやマンガのキャラクターも取り扱うようになっている。ドラゴンボールやハロー・キティ、ドラえもん、ケロロ軍曹のキャラクターを使ったおもちゃも登場している。とりわけ人気があったのはポケモンだそうだ。
それだけではなく、「ハッピーセット」の安全性にも非常にこだわっているという。おもちゃの組み立てには「三角ねじ」を利用し、家庭用のドライバーでは分解できないようになっている。さらに、おもちゃが小さすぎて誤飲し、窒息しないようにサイズの基準を設けているほか、子どもが噛んでも割れない強度を保つ工夫をしている。
マクドナルドのハッピーセットは2010年2月12日から、ヤッターマンのおもちゃセットを売り出した。12日には4種類が、19日からはさらに4種類が登場し、全8種類が発売される。ラインナップには、ヤッターマン1号・2号(ガンちゃん・アイちゃん)やお仕置き爆弾の喋るおもちゃ、ヤッターワンやヤッターペリカンの動くおもちゃなどがある。アニメと同じ声優が吹き替えを担当しているなど、ファンにはうれしい工夫がされているほか、シールを貼って完成させるおもちゃもあり、親子で協力して作る楽しみも。3月4日まででなくなり次第終了する。価格は420円~490円。