横浜市立大学に通う中国籍の大学生(27)が、自宅にサーバーを設置し高額な収入を得ていたとして、埼玉県警浦和東署に電気通信事業法違反の疑いで逮捕された。「無届けで自宅にサーバー2台を設置し、運営した疑いが持たれている」と書かれた新聞記事に対し、「自宅サーバーに届けが必要だったのか?」とネットは騒然となった。
浦和東署によると、中国籍の容疑者は2010年2月15日に逮捕された。2008年10月から09年7月まで、無届けで自宅にサーバー2台を設置した。サーバーにはこの期間に170万件ものアクセスがあり、中国の企業から約600万円の報酬を得ていた。
同じような事件の検挙は増える
同署によれば、来日した外国人が独自でサーバーを立ち上げ、電気通信事業法違反に問われる犯罪が増えているという。外国の企業が日本で物品を販売しようとしても、「樂天市場」などのインターネットショップと契約が難しい場合がある。そのため、日本に住む自国の人間がサーバーを立ち上げ、販売の仲介役になる、というものだ。ネットで販売を仲介したり、独自のネットワークを貸与する「事業」を行ったりする場合、総務省に届けなければならない。浦和東署では、今回の中国留学生の犯罪は氷山の一角で、同じような事件の検挙は増えるだろうと予想している。
そうしたなか、事件の新聞記事をきっかけに、「自宅サーバーに届けが必要だったのか?」「サーバーを使って小遣い稼ぎすると逮捕されるのか?」などの疑問がネットで渦巻き、ちょっとした騒動になった。今回の立件は、収入の額が大きいことと大量のアクセスがあったためだと思われるが、ちょっとした小遣い稼ぎでも違反なのだろうか。
不安な場合は総務省の関係機関に相談を
総務省によれば、電気通信事業として国に届け出なければならないのは、
「立ち上げたサーバーに第三者を集めるなど『他人の通信を媒介する目的』で運営し、事業性があると認められること」
だという。ただし、通信の規模によっては届け出が不要だそうだ。また、サーバーや回線を提供している業者が電気通信事業としての届け出を出していれば、そこからのレンタルは届け出をしなくていいらしい。ただし、
「事業規模が大きくなった場合は、例えレンタルで事業をしていても届け出をしなければならない場合があります。判断基準が個別で異なりますので、不安な場合は関係機関に相談することをお勧め致します」
と総務省では話しており、法律に違反しているかどうか簡単には分からないということらしい。