1992年の開業以来、一度も黒字化したことがない
結局、HISの支援決定は、HTBの破産・閉園を当面避けるためだけの暫定的な対応のようにしか見えない。HISは将来、HTBに東洋一のアウトレットモールを建設し、中国などから観光客を呼び込むとの構想を示したが、実現の見通しは遠い先の話だ。HTBは92年の開業以来、一度も黒字化したことがなく、まずは業績改善の地道な対策が必要だが、激減する来園者を呼び戻す秘策は見当たらない。
HISの沢田秀雄会長は2010年2月12日の会見で、「撤退は最悪の場合であり、全力でやらせていただく」と強調した。しかしこのままHTBが赤字から抜け出せなければ、HISは数年後、実際に「撤退条件」をかざして身を引くこともある。そうなれば公費である支援交付金は無駄に捨てられることになる。HISの支援決定は、HISだけでなく、佐世保市など地元の重い責任も伴っている。