スポーツ紙の酷評は、話題作り?
日本サッカー協会の犬飼基昭会長も、試合内容を批判しながらも、W杯まで4か月ではリスクが大きすぎるとして、岡田武史監督の解任を否定した。
スポーツ紙では、その後のトップ会談で一波乱もありうるとの見方も報じられ、早くも元日本代表監督のイビチャ・オシム氏を含めて、複数の監督候補が取りざたされた。しかし、犬飼会長は2010年2月15日、岡田監督と緊急会談し、全面支持することを伝えた。
とはいえ、サッカー日本代表は、監督のすげ替え論議が高まるほど弱くなってしまったのか。
サッカージャーナリストの後藤健生さんは、あくまで一時的な戦力ダウンだとみる。
「コンディションが悪かったんですよ。Jリーグでは、シーズンオフで各チームがキャンプをしていますが、代表は2月から試合をスタートさせなければならず調整が難しい。岡田監督が『選手が元の状態に戻るのに1週間ぐらい遅れた』と言っていたのは、コンディションの調整が遅れたということです」
韓国は、遠征試合を抱えていたので、日本より3週間ほど早くキャンプをスタートしていたという。主力が3、4人欠けているが、2軍とは言えないともいう。スポーツ紙の酷評については、監督を挑発して話題作りをした結果だとみている。
岡田ジャパンについては、MFの稲本潤一選手を後方のボランチとする使い方を発見するなど、収穫もあったという。決定力不足は、稲本らの中盤を生かして、走るサッカーをすれば克服できるとみている。
そのうえで、後藤さんは、岡田監督について、サッカー協会が解任する必要はないとした。
ただ、コンディションの調整失敗で、FWの平山選手ら新戦力を試す機会がなかったことなどが失敗に挙げられるという。
「本番でも、コンディションをいかによくするかが課題でしょうね。初戦のカメルーン戦では、戦力が劣っていても、試合会場となる高地での対策がうまくいけば挽回の余地があります。ベスト4は、あくまで目標であり、予想やノルマではありません。グループリーグで1勝できれば成功と言えますし、突破すれば大成功の内に入ると思います」