もう一度読む「山川歴史教科書」 「歴女」や若手ビジネスマンに人気

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   高校生の教科書を再編集した大人向け歴史書が異例のヒットとなっている。歴史ブームの中、歴史に興味がある女性「歴女」や若手のビジネスマンが購入していくようだ。

   話題になっているのは歴史書の老舗・山川出版が2009年8月30日に売り出した書籍「もう一度読む山川世界史」と「もう一度読む山川日本史」だ。二冊は、2004年まで実際に高校で使用された教科書「日本の歴史」「世界の歴史」をベースに、一般読者向けに再編集したものだ。

部数8万部に編集部は「驚いています」

   なぜ、今、歴史教科書なのか――。編集部によると、これまでは通史をコンパクトにまとめた書籍がほとんどなかったと言う。通史のほとんどは大型の書籍だからだ。そんな中で、山川出版は強みである歴史教科書を一般読者向けの書籍として発行したいと常々、考えていたそうだ。

   その上、ベースにした教科書「日本の歴史」「世界の歴史」は解説の質がとりわけ高く、一般の人にも十分に読み応えがあったため、発行に踏み切ることになった。再編集の過程では配列を考えながら、新たに注や解説をつけ加えた。今では教科書のほとんどがカラーなのに対し、二冊は巻頭のカラーページを除いてあえてモノクロにした。一般的な教科書とはまた少し違う、書籍として読み通せる工夫を凝らしている。

   初版各7000部だったのが今では、いずれも9刷約8万部程度にまで部数を伸ばした。編集部は「売れ行きには驚いています。しかも、普通は世界史よりも日本史の方が人気があるのに、二冊は部数が同程度で推移しています。珍しい動きです」と話す。ちなみに、ネット通販「amazon」のベストセラーランキング「歴史・地理」のカテゴリーでは2010年2月13日現在、2位に「日本史」が3位に「世界史」がランクしている。

姉妹サイト