受動喫煙問題について、厚労省が、公式には否定しているが、禁煙義務を守らない職場や人に罰金を課す検討をしていることが分かった。禁煙が難しい場合は、企業では喫煙室を、飲食店などでは換気設備を義務づけたい考えだ。企業などは多額出費となるため補助金支給も検討しているが、国民の理解がどれだけ得られるかなど、クリアすべき課題は多い。
喫煙被害の有無については、ネット上で度々熱い議論が繰り返されている。厚生労働省が禁煙を守らない職場や喫煙者に罰金を課す検討を始めたことで、今後、賛否両論様々な意見が噴出しそうだ。
喫煙室に補助金検討、非喫煙者から反発も?
被害をどう防止するかについては、厚労省が設置した有識者検討会で話し合われてきた。そして、2010年2月15日の次回会合に向け、それを踏まえた報告書の骨子案がまとまった。
同省の労働衛生課によると、案では、受動喫煙を防ぐために、原則として一般事務所や工場の職場で禁煙を義務づける。ただ、喫煙者もまだ多いため、喫煙室を作ればそこでの喫煙は認める。
客商売の飲食店や交通機関、宿泊施設では、できるだけ客用の喫煙室を作ってもらう。客にお願いするのが難しいようなら、換気や排煙の設備を最低限義務づける。そのため、有害物の濃度に基準を設けたい考えだ。
とはいえ、企業や飲食店などには、多額の負担がかかることになる。現に、同省が中小企業にヒアリングをしたところ、「補助金をお願いしたい」との要望が多く寄せられた。喫煙室などについては、日本政策金融公庫が資金貸し付けをしているが、同省では今後、禁煙義務化に向け、補助金などの予算要求もすることを検討している。
ただし、喫煙者のために多額の税金を使うことに非喫煙者から反発が出ることも予想され、予算審議が難航する可能性がありそうだ。