ファストファッションにも広がる
高級ブランドに限らず、ニットは今やトレンドだ。
スウェーデン発ファストファッション「H&M」とソニアリキエルがコラボレーションした「Sonia Rykiel pour H&M」第2弾でニットウェアのコレクションが登場し、2010年2月10日に発売を開始した。セーター、ジャケット、ワンピース、スカート、サロペット(つなぎ)、キャミソール、ショートパンツ、ドレスと40アイテム以上のニットウェアを展開する。
一方、製造業者の団体、東京ニットファッション工業組合の担当者は、日本で流通しているニットのうち数量ベースで9割以上が中国からの輸入だと指摘する。
「日本のニットの技術は高く、海外製品にはないキメ細やかな仕上がりです。しかし国内百貨店の販売シェアが落ち込んでいるので、中国の富裕層向けや海外ブランドに販路を拡大するしかありません」
あるニットメーカーも「安いファストファッションが優勢な日本では高価な国産糸を使った製品を売る場が減っている」ともらし、海外ブランドへの供給に活路を見いだそうとしている。