鳩山首相も小沢氏から距離を取り始めた?
事業仕分けで活躍した枝野氏を行政刷新担当相に抜擢することで、下落傾向が続く内閣支持率を上向かせたい――そのような狙いがあるとみられるが、さらに、鳩山首相と小沢氏の関係の「微妙な変化」を指摘する声もある。
その兆候と見られているのが、2月9日の鳩山首相の発言だ。前日の定例会見で小沢氏が「総理から、ぜひ一生懸命がんばってほしいと言われた」と述べたのに対して、鳩山首相は
「がんばってくださいという言葉は使っていない」
と小沢氏の発言を否定した。元秘書が政治資金規正法違反で起訴された小沢氏に対しては世論の激しい逆風が吹いているが、民主党内でも「求心力は確実に低下している」(政治ジャーナリスト・安積明子氏)というのだ。
そんな世論や党内の空気の変化が鳩山首相にも影響を与えていると見るのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。テレビ朝日の情報番組「スーパーモーニング」のインタビューで
「小沢さんと一緒に支持率がどんどん下がっていってしまって、共倒れという状況も可能性としてゼロではない。その状況から脱出するためには自らのリーダーシップを明確に打ち出したいと。鳩山総理自身が、ある意味でいうと『乳離れ』を始めているのかな」
という見方を示した。だが、このような見解には異論もある。枝野氏の起用を小沢氏が事前に了承していたというのが、その根拠の一つだ。テレビ朝日の三反園訓コメンテーターは「スーパーモーニング」の中で
「よくそう言われますけど、そんなに簡単に離れられるほど、この二人の関係はやさしくないんですよ。お互いがお互いを利用しあう仲ですから、簡単に離れることはありませんね」
と「乳離れ説」を一蹴していた。