リーダーシップと政策の両方が評価?
山梨学院大学の江藤俊昭法学部政治行政学科教授によれば、これまで、改革派として登場した知事の多くは既存の慣例を打破することなく任期を終えたが、橋下知事は府民の目に見える形で慣例を打ち破り行政を進めている。リーダーシップがあるだけでなく、調査にある「政策に期待できる」の49%は高い数字で、リーダーシップと政策の両方が評価されているとし、府知事として盤石な形だと分析している。
ただし「83%というのは異常な数字であり危険もはらんでいる」と指摘する。橋下知事がメディアに対し「僕らの仕事は支持率がある意味すべて」と語ったことは、「ファシズム的なものに通じる心配もある」ともいう。知事の場合は首相とは異なり、独自に行動し決定できる権力を持っている。橋下知事の政治手法を見ると独断専行型で、それを許しているのは府議会が機能していないからだとも話している。
「議会の発信が弱いために支持率が83%になってしまう。それは民主主義の形ではないんです。知事と議会が競ってこそより正しい方向に進みますし、地方分権の時代を目指しているわけですから、橋下知事も議会の活用を真剣に考えるべきなのではないでしょうか」