「老後設計のアドバイス」提供が大事
――認知度を高め、加入者の獲得へ向けた取り組みについて教えてください。
松 本 厚生年金は、年金にかかる手続きを企業がやってくれて、掛金を給与から天引きしているので、いわば自然に掛金が積み上がっていきます。自営業者やフリーランスの方は、その2階建て部分を自分でやらなければなりません。国民年金基金はいい制度なのですが、認知度が上がらなければ利用してもらえません。そこが悩みです。 PR活動にも力を入れ始めました。基礎年金を運営する厚生労働省から第1号被保険者の情報を得て、年3回加入対象者にダイレクトメール(DM)を発送しています。DMは1年から1年半のあいだに、1度は手元に届くようになっています。
現在放映中のテレビCMには長澤まさみさんを起用していますが、10年度からは貫地谷しほりさんに登場してもらいます。DMの送付や確定申告の時期などにあわせて、効果的にテレビやラジオ、新聞などで展開していきます。
テレビCMやDMでPRして、電話や実際に訪問して勧誘することもあります。「老後設計のアドバイス」を提供していくことも大事ですね。たとえば年金がいくらもらえるか、掛金はいくらか、といった質問に応じながら、ちょっと聞いてみよう、資料を請求してみよう、という流れをつくりたい。そのためホームページなど、インターネットも活用する方針です。
公的年金という性格上、厚生労働省や地元自治体と協力して推進していますが、地方銀行や信用金庫、信用組合など地域金融機関との連携も強化したいところです。とくに信用金庫などは商店などを経営する自営業者との取引が多いので、加入の呼びかけをお願いしたいし、郵便局なども活用して認知度を高めていきたいと思っています。