「品質こそ生命線」だったトヨタ ブランドイメージ崩壊のピンチ

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一発の不具合で1千万台ものリコールになりうる構造

   トヨタは社長をヘッドに「グローバル品質特別委員会」を新設し、外部の有識者の意見も採りいれながら安全品質の徹底に取り組むことを表明した。品質問題は時間とともにいずれ終息に向かうだろう。

   しかし、本当に問われるのは1年がたち2年がすぎ、平時に戻ったあとだ。

   コスト競争力や環境性能、グローバルオペレーション、収益力とともに安全品質が自然体で確保されなければ、何年かおきに品質問題が繰り返されることになるだろう。

   車種を超えた部品共通化が当たり前の今、トヨタの規模になれば一発の不具合で1千万台ものリコールになりうることが今回のアクセルペダル問題で証明された。プリウスのブレーキについては本当に「不具合」に当たるのか微妙な点はあるが、結局トヨタはリコールする方針で、ここでも対応の遅れを印象付けてしまった。

   トヨタは30年前から品質では世界のリーダーと言われてきた。販売世界一になった今、品質と規模と先進性とコストを高度にバランスさせる術はトヨタ自身が築くしかない。とりわけ品質に関しては、市場情報をどれだけ早く正確に分析して商品に反映させるかがカギを握る。巨象は敏捷さを身につけられるだろうか。

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